『アリーテ姫の冒険』読了

全部で8章からなるこのおとぎ話を、寝る前に1章ずつ、ちびちびと読んだ。以下、ネタバレ(っていうほどのことはないのだけど。笑)

アリーテ姫は、父王(←バカ)が魔法使い(←こいつもバカ)の悪巧みにのせられたとばっちりで、魔法使いに幽閉されながら3つの難題(?)に挑戦させられることになるのだけれど、いちばん素敵だと思ったのは、彼女がそれらの難題を解決するためにはいっさい魔法を使わなかったところ。彼女は、生まれ育った城を出る前に、友人(年配の魔女)から魔法の指輪――3つの願い事をかなえてくれるもの――を贈られるのだが、すべての願い事をすべて、豊かに、知的に、そして快適に過ごすために使うのだ。そして、難題はすべて自分自身で解決する。

本を読む前にあげたエントリに、訳知り顔で「知恵と勇気で困難をくぐりぬけ」なんて書いてしまったのだが、これも大きな間違い。もちろん彼女は、知恵も勇気もある溌剌とした賢い女の子なのだけれど、そもそも「知恵と勇気で困難をくぐりぬけ」なんていう力んだ発想が、このおとぎ話の世界にはそぐわないのだ。彼女はもっと自然体。

他愛のないお話だけど、楽しかった。

私は母からディズニーの『シンデレラ』や『眠れる森の美女』を与えられ、とくに後者をいたく気に入って何度も読み、幼い頃から「男女平等」、長じては「機会均等」などと強いことを口にしつつも、結局のところ自分の力で世界を切り開くという意識の少ない女の子=眠り姫として育ってしまった気がする。年齢を重ねた今でも他力本願なところが抜けきらない。私には子供はいないけれど、もし自分に娘がいたとしたら、ディズニーなど与えまい。断じて。