もうあなたには頼まないから

 この友人の件で、私自身もまったく別のところで少し不愉快な思いをした。以下、八つ当たりモード(笑)。

 彼女から、アドバイスを受けられる弁護士を紹介して欲しいと言われたので、私の知り合いに相談をした。知人自身は現在休職中なので、だれか相談に乗ってくれそうな人を紹介してもらえないかと打診した。結局、自分にはこの種の事件に強そうな知り合いはいない、ということだった。

 知人が、ここで終わりにしてくれればよかったのに、と思う。ダメならダメで、他をあたればよいのだから。腹が立ったのはこのあと。

 「また、1週間もしたら気が変わるかもしれないし、もとのさやに収まるっていうこともあるんじゃないの? もう少しよく考えてみたらって、そのお友達に言ってみたら?」と言うのだ。

 友人の、弁護士に相談したいという気持ちの「緊急性」「必要性」がどの程度のものかを、私自身が完全には把握していなかったので、私の説明に不十分な点があってきちんと伝わらなかった可能性もなくはないのだが、それにしても、当事者自身が「とりあえずいちど弁護士と話がしたい」と言っているのに、親切ごかしのアドバイスで当事者のリクエストを押さえ込むというのはいかがなものだろうか。こういう発想が、セクハラやモラハラ二次被害を生むのかもしれないな、と思った次第。

 いや最初は、この知人の言葉が二次被害になるのだという確たる意識はなかった。私の中には「お願い事を聞いてもらえなかった」という腹立たしさ、悔しさがあったと思うし、「できないということを認めたくないからといって、『押さえ込み的説得』で『できない』を『しなくてもいい』にすりかえるっていう論法はいくら何でもナシじゃないの!?」と、思ったりもした(これまた、人に頼み事を聞いてもらえなかったからってその言いぐさはないんじゃないかと言われてしまいそうだけど)。

 ただ、確たる意識はなかったものの、とにかく、「ああ、この人にこれ以上説明してもムダに終わるだけだな」と思って、「どうもありがとう」と電話を切った。女同士だからわかってもらえるかも、なんていうのは幻想だ。そんなことはとっくにわかっていたはずなんだけれど・・・。