やなもの見ちゃった。

 朝からイヤな気分になった、その気分を書き散らすので、そういうのが好きでない人は読まないでね。

 仕事に行くのにホームで電車待ちの列に並んだら、となりに立っている年配の女性が携帯電話でずっとしゃべっているのに気づいた。近くで携帯で話をされるという状況が好きではないというのもあるのだが、この女性の話し方や声のトーン、聞こえてくる話の中味(しっかり聞いていたわけじゃないけど)がなんともイヤな感じ。他人の批判というか悪口を、ぼそぼそぼそぼそと朝っぱらから電話の向こうの人間を相手に延々とやっているのだ。「腐す(くさす)」という日本語はまさに彼女のためにあるのだ、とでも言ったらいいだろうか。

 これで電車に乗っても通話を続けていたら、ジロリと睨んだろか、イヤミのひとつでも言ったろか、などとぼんやり考えていたところ、なんと彼女、電車に乗ったとたんに「電車に乗ったから」と言ってぴたりと電話を切ったのだった。で、取り出して読み始めたのが「アフリカの子供たちのなんたらかんたら」というような本。

 「自分はマナーやルールを守り、問題意識も高く、能力もあって、うんぬんかんぬん」というのが、きっと彼女の自己評価なのだろう。電車の中で電話を切ったのは、そうすべきだとされているからしているだけで、車内通話が歓迎されないその理由なんて考えたことないんだろうなあ。きっと反戦平和の高邁な思想の持ち主でもあるのだろうけれど、マナー違反のイマドキの若者と、こういう思考停止の迷惑優等生おばさんと、どっちが問題アリの存在なんだろう、戦争に安易に加担するのはどっちだろうなんて思ったら、ますます暗い気持ちになってしまった。

 で、こういうおばさん、どっかで見たなあ、どっかにいるなあ、もしかしたら若い頃の自分のことかも、いや今の自分も結構ヤバイかも(笑)、だいたい、こういうおばさんの横でイライラしちゃって、おまけにそれをブログに書いているヒマがあったら、さっさと別の列に並び直して電車を待とうよ、というのが今日のオチ。大人になれよ、自分、というわけで。もう書いちゃったけど。