香りでリラックス

 友人の法律相談に付き添った帰途、いつもは車で前を通りすぎるだけの近所の喫茶店に立ち寄った。ぷらりぷらりと歩いているうちに、何だか急にその店でコーヒーを飲んでいきたくなったのだ(普段は紅茶一辺倒)。

 コーヒーが出てきてしばらくして、店の客は私だけになった。経営者らしき女性が、顔なじみでも何でもない私に、「ちょうどいつも、これくらいの時間に静かになるんですよ。いまがいちばん落ち着いた時間帯なのでゆっくりしていって下さいね」と声をかけてくれる。その言葉に甘えて、コピーして持ち歩いていた資料を取り出して、しばらく読む。

 居心地のよいその店を出て横断歩道をわたると、今度はふわっと甘くやさしい香りに包まれる。生け垣のキンモクセイだった。しばらく歩くと、今度は街路樹にもキンモクセイ。まだつぼみなのにとても芳しい。

 ああ、秋だなあ・・・。