容量オーバー!?

 就任の記者会見もひどかったけれど、きのうの所信表明演説もお粗末。聞いているのに耐えられなくなり途中でテレビを消した。「似ている、何かに似ている」と思ったのだが、私の頭に浮かんだイメージは、準備不足の教師が手元のメモをチラチラ見ながらしどろもどろで授業に臨むの図、だった(だからこそ身につまされてスイッチを消したんだろうオマエは、というツッコミはなしね。笑)。

 口当たりのいいお題目とカタカナ言葉で粉飾された空疎な文章を読んでいるようにしか見えなかった、というのが率直な感想。だったらせめて上手に読めるように「しっかりと」(笑)練習くらいしておかんか、という冗談はさておき、「美しい国」をめざすなら、所信表明演説もくだらないカタカナなんぞに頼らず、中味をともなった「美しい日本語」でバッチリ決めていただきたかったと思う。

 官房長官時代の会見や、拉致被害者の家族会などでの個別のやりとりを見ていると、この人は、自分の言葉で物事を伝えることがそれなりにできる人なのではないかと思う。今回の所信表明演説でそれができなかった、ということは、やはり、首相という立場でしなければいけないこと、考えなければいけないことが、すでに彼のキャパを超えているということなのかもしれない。

 リーダーであるためには、リーダー本人の能力と、有能な人々を適切に配置・活用できる能力とが必要とされると思うのだが(状況によりウェイトのおき方はさまざまだろうが)、今度の総理大臣の場合、このあたりどうなのだろうか。